難平(なんぴん)は売買方法の一種で、価格が下落した場合に買い足す方法です。
難平のメリットは平均習得価格を下げる効果です。
平均取得単価が下がることで上げ幅が少なくても利益が出やすくなります。
その反面、投資額が多くなるため、価格が上昇しなかった際のリスクが増加します。
投資を始める際に損失が大きくなる事を想定して投資する事は少ないです。
しかし、投資を始めると下落幅が大きくなることが予想される場合があります。
そのような状況では難平ではなく、損切も選択肢に入れる必要があります。
しかし、下落が予想されてもすぐ元の価格に戻る事が多いので損切をためらってしまう事が多いです。
特に長期投資の場合は多少の下落は想定の範囲内です。
長期で見た場合に上昇傾向があると判断し投資を行っているため、長期投資においては難平は効果的とされています。
これは投資した分以上のリータンが見込めるという前提があるためです。
しかし、実際には資産価値が減少したままになることもあるため注意が必要です。
具体例
価格変動がある株を例にあげます。
※計算しやす数字を使わせていただいています。
1回目 1000円で1株購入
(保有株数1、投資額1000円、平均取得額1000円)
その後株価が下がり、800円になりました。
(1000円から20%減)
2回目 800円で1株追加で購入
(保有株数2、投資額1800円、平均取得額900円)
株価が900円まで回復(約13%増)すれば損失はありません。
株価が1000円まで回復すれば200円の利益です。
ここから下落し、600円になりました。
(1000円から40%減)
3回目 600円で1株追加で購入
(保有株数3、投資額2400円、平均取得額800円)
株価が800円(33%増)まで回復すれば損失はありません。
株価が1000円まで回復すれば600円の利益です。
ここから下落し、400円になりました。
(1000円から60%減)
4回目 400円で1株追加で購入
(保有株数4、投資額2800円、平均取得額700円)
株価が700円(75%増)まで回復すれば損失はありません。
株価が1000円まで回復すれば1200円の利益です。
購入金額が200円下がるのに対して、平均取得価格は100円しかさがりません。
そのため、難平が続くとハイリスクになりやすいです。
まとめ
平均取得価格を下げるには下落時に保有数を増加させなくてはいけません。
保有数が増加することは、掛け金が増加することです。
つまり、難平は基本的にリスクも増加する投資方法です。
しかし、その反面リターンも大きくなります。
保有数が倍になれば同額の利益を得るための上昇率は半分で済みます。
上記の4回目の様に75%戻る事は難しいと思います。
そのため、損失額が増加して終わってしまう可能性もあります。
また、難平は回数が増えるほど効果が少なくなります。
そのため難平ではなく損切も検討する事が必要になります。
難平は資金の余力がなくてはできないので、難平を行うタイミングは大切です。
リスクマネジメントを考えたその時に応じた投資が将来の資産を守るためには重要です。
備考
難平は難(損)を平(平均化)にする方法のため「何品」は誤用です。