概要
移動平均線(単純移動平均線)はチャートを分析する際の基本的な要素で ”一定の期間の価格の平均” を線で表示したものです。
移動平均線を構成しているのは対象期間の複数の終値のデータで、そこから平均を計算して算出された点を線で結んいるため価格のトレンドや強さを視覚的に認識できるように設計されています。
また、移動平均線は過去のデータの平均であるため表示される線は実際の価格変動よりも滑らかな曲線(長期の移動平均線を設定してあるほど滑らかな曲線になりやすい傾向があります)となります。
移動平均線は時間経過によって現在の価格データが随時反映されていくため、過去のデータの影響によるウェイトが大きく実際の価格変動に対しての反応が遅れて表示されやすい傾向があります。
つまり、移動平均線は徐々に現在の価格に近づいていきます。
一部では誤解している人もいますが「価格が移動平均に近づく」のではなく 「価格から導かれた平均が実際の価格に近づく」というのが正しいです。
チャートの分析について
単純移動平均線は相場の流れを分析する指標として取り入れられています。
特にゴールデンクロスやデッドクロスは有名です。
- ゴールデンクロス
長期の移動平均線の下にあった短期の移動平均線が交差(クロス)して上に抜けた時をゴールデンクロスと呼び「相場が上昇傾向になる可能性が高いサイン」と考えられているため「買いのサイン」という人もいます。 - デッドクロス
長期の移動平均線の上にあった短期の移動平均線が交差して下に抜けた時を「デッドクロス」と呼び「相場が下降傾向になる可能性が高いサイン」と考えられているため「売りのサイン」という人もいます。
相場が大きく変動するとゴールデンクロスやデッドクロスになる事があり、交差する際の角度がきついほど(短期と長期の差が縮まる期間が短いほど)信用度が高いと考えられていますが、移動平均線が交差すれば必ずしも相場が大きく変わるとは限りません。
※ゴールデンクロスやデッドクロスは短期(1ヶ月未満)のチャートでは信用度が特に低いです。
チャートの分析には他にもグランビルの法則をはじめとして多数の分析方法があります。
テクニカル分析のような短期的な分析方法の真偽を疑う人も多いですが、実際にテクニカル分析を行っている人が存在する以上は正しい理論を身に着ける事で流れが見えやすくなると思います。
※噂によって動く人は一定数いるため噂の真偽ではなく実際に「どれだけの人が信じているのか」のほうが重要になるという事も多いです。
まとめ
単純移動平均線はチャートを見る際の指標となるため投資を行う際には覚えておいて損はありません。
しかし、移動平均線による分析のみでは相場の流れを読むには情報が不足してしまいます。
例えば、テクニカル分析を行う際には移動平均線だけではなくローソク足(ロウソク足)の見方なども学び次の傾向を予想するための情報を多く入手する事が大切です。
また、テクニカル分析のみではなくファンダメンタル分析なども学び広く深い知識を身に着ける事は大きなメリットとなり長期的な資産運用の成績を安定させるためには欠かせない要因となります。
知識や経験が不足していると狼狽売り(狼煙売り/パニック売り)など、価格が下落した際にその根拠となる理由や銘柄を握っている(保有している)理由が曖昧になり損をしやすいです。
そのため、損をしないように知識を身に着け、属にいう「あなたの売ったそこが底」なんてことにはならないように心がけましょう。