現状維持バイアス | あむぶろ 学校では教えてくれない大切なこと

心理学

現状維持バイアス

投稿日:2020年1月18日 更新日:

現状維持バイアスとは

概要

現状維持バイアスは変化を避けて現在の環境や状況を維持しようとする心理です。

人は基本的に知識・経験が少ない未知のものに潜むリスクを無意識のうちに避けようとする心理が働きます。
※多くの人は「なにかを得る」よりも「なにかを失う」事に対して強い恐怖を感じるためリスクを避けようとする心理は普通です。

そのため、新しい事へ挑戦する事は心理的に大きな負担となるため、なにかにチャレンジする選択肢は基本的に避けてしまう傾向があります。

この影響から、有益だとわかっていても「現状を変えたくない」という気持ちから挑戦しない選択をする人は多いです。

具体的には
勉強をすると進学で有利になったり、資格を取って給料が上がる傾向があります。
多くの人はこの事実を知っているにも関わらず「やらない言い訳」を探して現在の状況を維持しようと何もせずに過ごしてしまいます。

現状維持バイアスに影響する心理効果

現状維持バイアスには複数の心理的作用が働いているため「なにかしないとまずい」と思いつつもなにもできない人は多いです。

特に貧困層の人は深層心理に植え付けられた意識が貧困の悪循環(親から子へ貧困が継承されている事は近年問題になっています)に陥っている事が多いため、抜本的な対策が必要ですが現状を大きく変える事に対して強い警戒感があります。
※失敗して現状よりも悪化する事はとても厳しいと思う人も多いようです。

このような時に作用している作用している心理効果としては

  • 一貫性の法則
    • 途中でやめたくない心理で「最後までやり遂げたい」という気持ちから現状のやり方を変える事に抵抗を感じます。
  • 損失回避性
    • リスクを避けたい思う心理で、変化した影響でなにかを失う事を回避したいと感じます。
  • 保有効果
    • 今あるものを手放したくないと思う心理で、現在の状態・環境を失う事に対して強い警戒感を持っています。

このような心理が作用していると思います。

つまり、最適解をわかっていても実際に行動に移せない人はとても多いです。

具体例

恋人と付き合う期間が長くなるほど言動などで気になる点が多くなっていくと思います。
中には絶対に許せない事もでてくるかと思います。
しかし、そのまま交際を続けて現状(恋人関係)を維持をしてしまう傾向が強いです。

本来ならば別れるべき問題があっても交際期間が長いと別れる選択が難しくなります。
これは内面的な問題だけではなく、周囲からの影響もあります。

問題を解決するためにインターネットや本を読んで調べたり、他者から意見を求めたりすることでさらなる問題点を発見してしまう事もありますし「別れないほうがいい」という意見を聞く事もあると思います。

そうした多くの情報があると人は迷ってしまい、最終的にそのまま別れず時間が経過して問題が大きくなっていきます。

そして後悔します。
※具体的なアドバイスをする人の多くは無責任で、あなたの人生の選択に口を出しても責任を取ってくれる事は期待できません。

このような恋人のような関係には今まで費やした時間や費用を無駄にしたくないと考える埋没費用(コンコルド効果/サンクコスト効果)も働いている事があります。

現状維持バイアスによるデメリット

現状維持を目標にするとそれ以上を求める事をあきらめてしまいます。
しかし、いずれ目標が達成できない時がきてしまい後退してしまいます。

仮に現状を維持できたとしても、周囲は前進していく中で現状維持しているだけでは周囲から取り残されてしまい相対的にみると後退してしまいます。

具体的には
小学校で成績トップだとしても、その後に勉強を怠ってしまえば中学生になって周りが成長してくと一人だけ取り残されてしまいます。

現状維持バイアスの対策

現状維持バイアスを克服するためには現状を把握する事が重要です。

今置かれている状況を正確に理解する事で改善点が見えるようになります。
※改善案はメリットだけでなくデメリットも把握してください。

そして、具体的に「なにを」「どうすればよいのか」を見極めて行動に移さなくてはいけませんが、この際にリスクマネジメントはとても重要です。

リスクを想定しないで挑戦すれば失敗のリスクは高くなりますし、状況が良くない時に不安や恐怖が大きくなってしまい冷静な判断ができずに失敗してしまう事もあります。
※第三者の視点を取り入れる事で客観的な視点からの意見を聞けるため多面的な視点から分析ができるので時には人に頼る事も重要です。

また、目標を立てたら周囲に具体的に宣伝すると心理的に怠けにくくなりますし、周囲からの応援(監視と言い換える事もできるかもしれません)もしていただけます。

まとめ

現状維持バイアスは誰でも起こる現象です。

知らないものや変化する事に対して不安を感じるのは遺伝子レベルで継承された生存本能です。
※自然環境ではリスクを避けるのはとても重要な生存戦略だったため、人はリスクを避ける事で種を存続させてきました。

特に現状の期間が長ければ長いほど、それを変える事に強い警戒心をもつため現状を維持しようとする気持ちが強く働きます。
※「なぜそうなるのか」が理解できない場合は様々な推測をしてしまい、その一部には幽霊・呪いなどに繋がり恐怖を感じるものあります。

しかし、基本的に物事に前向きに通り組んでいると失敗をしやすいです。
※事前に調査や準備を入念に行っていても見落としがあり損失を招く事が多いです。

失敗をする前提で挑戦をする人はいないものの、見えない恐怖が大きいため自己防衛機能として現状維持を選択しやすい傾向があります。

なぜなら、現状を維持していれば失敗するリスクも少ないため、概ね予想通りの変化の少ない生活を送る事ができます。

つまり、「一寸先は闇」と言われるような大きなリスクをとらずに活動できます。
※現状維持は勝率の高くてリターンの少ない(ローリスクローリタン)賭けをしているような状態ですが、中には大きなリスクをとっているのに自覚がない人もいます。

特に、変化がなければ「今までの現状で問題がなかった」という実績があるため強い安心感があるため、気持ち的にとても安定しやすいです。

その反面、環境を一気に変える事はそれだけ心理的に大きな負担になるため、徐々に環境を変化させていき少しづつ順応する事でリスクを避ける人も多いです。

リスクを警戒して慎重に行動する事はとても良いと思いますが、このような姿勢だと転職などのように環境を大きく変える選択をしにくいです。

そのため、終身雇用制度が崩壊したにもかかわらず、日本では雇用の流動化が少ないため平均所得の上昇に歯止めがかかっていると考えられています。
※優秀な人材に適正な報酬が支払われない傾向が強いと考えられています。

また、転職すれば必ず給料が上がるわけではありませんし、新しい職場環境になじめなかったり、同じ業界なのに戦略が大きく異なって今まで積み上げてきたものが役立たない可能性もあるためリスクが高いと判断する人も多いと思います。

しかし、社会全体で人材が健全に流動化すれば能力に対して適正な報酬が支払われるようになります。
※報酬がわりに合わないと感じたらすぐに次の仕事につけるため、能力がある人を囲い込むために企業は適正な報酬を支払うようになります。

現状は流動性が乏しいため転職のように環境を大きく変えるのは難しいと思いますが、それでも少しずつ未来に備える事は重要です。

例えば

  • 明日会社が倒産して収入がなくなる。
  • 交通事故になって入院してしまう。
  • 頼りにしていた親族・友人が亡くなってしまう。

このような様々なリスクはいつ起きるかわかりません。

そのため、一歩踏み出して将来の事を真剣に考える事も必要です。

特に、現代の若者が定年する事には年金だけで生活する事は現在の状況から考えるととても難しいと思います。

「はじめさえすれば、もう八割成功したのと同じだ」とも言われますし、昔は無駄に思えたことが、将来は「必要だった」と思える日も意外とすぐ来るかもしれません。

備考

現状維持バイアスはリチャード・ゼックハウザーとウィリアム・サミュエルソンが1988年に提唱しました。

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