
新奇恐怖症(ネオフォビア)とは
概要
新奇恐怖はネオフォビア(neophobia)ともいわれる知らないものへの恐怖を指す言葉です。
基本的にネオフォビアの心理が働くのは生存本能による影響が強いです。
そのため、多くの人は今まで経験したことがない新しいものや出来事に遭遇すると「不安」や「恐怖」といった感情を強く抱くのが一般的なため「未知の状況に飛び込む」よう言動を避けようとする心理がはたらく傾向が強いです。
これは生存確率を伸ばすためにリスクを避ける(不確定な要素を減らそうとする)本能が働いているためです。
※現状維持バイアス(現状を維持しようとする心理)や熟知性の原則(理解する事で好感を得る)などの心理作用も影響しています。
新奇恐怖症はわからないものに対しての感情であるため知識・経験の中から推測する事ができると未知の要素が減るため不安や恐怖も軽減されます。
つまり、知識や経験が豊富だと未来に対して大まかな想定ができるので恐怖や不安も少なくなる傾向があります。
具体例
新奇恐怖(ネオフォビア)は様々なシーンで起こりますが、近年話題となっている転職市場や飲食店に対して起こる一般的な心理を具体例としてあげます。
具体例
初めて会う人といきなり友達と話している時のように会話を弾ませる事ができる人は少ないと思いますし、そのような事ができる人はコミュニケーションを繰り返し行ってきていて「新しい人との出会い」に慣れているため「新しい経験」ではなくなっている事が多いです。
社会人の場合は会社に不満があっても転職して新しい職場に移る事に対して強い警戒心を持つ人が多いです。
※日本の転職市場は特に流動性が低いといわれています。
その一方で転職回数が多い人や自分で会社を設立する人も中にはいますが、このような人は恐怖心や警戒心がないわけではなく「過去に類似した状況を経験したことがあった」「ある程度の予測がついている状態になっている」などに一致している事が多いです。
具体例
近年は飲食店といえばファミリーレストランやテイクアアウトもできるジャンクフードを販売するフランチャイズ系の飲食店が増加傾向にあります。
これはどこの店舗でも同じような味の商品が販売されているため、お店選びで失敗する可能性はほとんどない安心感があります。
その反面、昔ながらの個人経営の飲食店は店舗数を減らしています。
昔ながらの店舗は初めて入店する際の敷居がとても高く感じる人が多いです。
これは個人経営のお店はそのお店独自の味付けがありますし、近年発展しているインターネット上の評価サイトでも「おいしい」という判断基準が千差万別であるため自分の味覚に合うかかわかりませんし、お店の雰囲気も千差万別で写真を見ただけでは不明瞭な点が多く、わからない要素が多いため入りにくいお店になってしまっています。
その結果、個人経営のお店に初めて入る時は不安を抱き、それを避けてフランチャイズ系の手堅いお店へ足を運ぶ機会が増えてしまいます。
まとめ
人は生存本能として理解できないものを遠ざける傾向があります。
しかし、わからない事を理由に避けているだけでは成長する機会を逃してしまう一方です。
「若いうちの苦労は買ってでもしろ」といわれるように、失敗しても若いうちならばやり直しがきく可能性が高いですし、その経験や知識は将来的に役に立つ可能性が高いです。
しかし、ここまで理解していても実際に挑戦できる人は少なく、世間では「知識を与えられて実践できる人は100人に1人、実践した人の中で継続できる人は100人に一人」だと言われています。
さらに最近の若年者はバブル崩壊後の経済が日に日に衰退していく中で育った人も多く、幼少期に経済が縮小していき貧困家庭に生まれた人や、十分な教育を受けることができずに社会人になっても十分な収入が得られずに自由に使えるお金も少なく夢や欲望を常に抑えて育った人が多いと思います。
このような環境の影響かは定かではりませんが「どうせできない」「やっても無駄」という考えを持つ人や警戒心が強く保守的な行動をとる人が多く、日本の貯蓄率は世界でも高いといわれています。
誰しも恐怖や不安な感情を持っていて、その感じ方は人によって異なりますが、それを軽減するために日々勉強し、知識を身に着ける事で緒戦に対する不安感を軽減する事ができます。
考える事をやめてしまうとそこで立ち止まってしまうので可能性が奪われてしまうので毎日新しい事を吸収できるようにしたいですね。
備考
新奇恐怖症は恐怖症の一種で、新奇(新しいこと)への恐怖を指しています。