損失回避性は、利益から得られる満足感よりも、損失による不満感を大きく評価する心理です。
つまり、損をしたくないという感情が強いという事です。
人は失う事に対して強い嫌悪感を示します。
これは生き残るために遺伝的に継承してきた生存本能が働くためです。
失うという事は体力を多く消耗する事です。
このため、現状維持をする事で失うリスクを回避できるのならば余計なリスクは回避し、現状維持に努めます。
具体例
1万円得る事よりも、1万円失う事の方が苦痛を伴います。
A 無条件で1万円得る。
B コインを投げて表なら2万円得る。
Aを選ぶ傾向が強いです。
B コインを投げて表なら2万円得る
C コインを投げて表なら3万円得る、裏なら1万円失う
Bを選ぶ傾向が強いです。
ここまでは期待値1万円の例です。
しかし、ある一定の値を超えると損失回避性が有効ではなくなります。
これには個人差があります。
宝くじの期待値は掛け金の半分程度となるため、掛け金を失う可能性が非常に高いです。
しかし、上位当選は大きな利益を得られるため、損失の可能性よりも利益を優先する方が増えます。
まとめ
日常生活で多く目にするのは限定品です。
その時を逃したら購入できないため、買いそびれると損だと錯覚します。
そのため、消費欲求が刺激され商品の購入を促します。
損を避けようと考えていると次第にリスクを過大評価していく傾向がでてきます。
この状態では正しい選択がしにくくなってしまいます。
研究によると失う事は、得る事の2倍の価値を感じるそうです。
備考
損失回避性はダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって提唱されました。