アウトブレイクは特定の地域や集団内で、予想以上の感染症が一定期間発生する現象です。
範囲が限られ、特定の期間で収束する感染症で、院内感染などの限られた範囲で爆発的に感染者が増加する際に用いられます。
感染爆発が疑われる際には被害の早期収束及び再発防止に努める必要があります。
外部に感染が拡大しパンデミックとならないように、食い止める事が重要です。
しかし、感染症には潜伏期間が長いものもあり、早期収束を目指しても収束が難しい事も多いです。
アウトブレイクが疑われる状況
- 関連する感染症が複数件発生している状態
- 同一感染症の発生件数が通常よりも増加している状態
- 通常発生しない感染が地域や集団で発生している状態
対応の仕方
- 具体的な情報を集め(感染経路、感染源等)、その対策(隔離等)を決める。
- 未発見の同一感染者(発症者や潜伏期間中の感染者など)の捜索。
- ※スーパースプレッダーのような特異体質は特に注意が必要。
- 感染者の治療と共に、隔離を行う。
- 感染場所の消毒を行う。
- 感染者と接触の可能性を考慮した対策(うがい、手洗い、マスク等)を行う。
まとめ
近年の目覚ましい経済成長の成果として、交通網の発展により個人が短時間で長距離を移動する事が増加したため、一部の地域で発症した感染症が世界各国へ被害を拡大させ、世界的に大きなパンデミックとなる事もあります。
そのため、アウトブレイクの段階で適切で迅速な対応を怠る事でその後に大きな被害をもたらす可能性があります。
本来の用法用量を守らず、薬剤耐性菌と変化し猛威を振るった事例もあるため、人的ミス(誤った知識や対応)を減らす事も重要です。
しかし、正しい薬剤の摂取量でも、薬剤耐性菌へと進化する事もあるため、薬の研究も日々進化を続けています。
また、病気には発生経路が不明なまま収束する事例もあり、公衆衛生や保健、医療などの水準を高くすることが感染症への抑止となります。
備考
アウトブレイクに近い現象でパンデミック、エンデミック、エピデミックがあります。
違いは下記の通りです。
- エンデミック
小規模で限られた範囲での少数の感染が見られる状態 - エピデミック
小規模な限られた範囲で感染者が多い状態 - アウトブレイク
限られた範囲での大多数が感染している状態 - パンデミック
感染範囲が広く、感染者が多い状態