大数の法則(たいすうのほうそく)は確率や統計の分母を大きくすることで理論値に近づく法則です。
大数の法則は実験を証明する際の偏りを減らすために用いられることが多いです。
試行回数が少ないと偏りによる影響が大きいため、試行回数を増やす事で理論値に収束させるために用いられます。
具体例
サイコロを投げます。
それぞれの目が出る確率は理論値ではいずれも1/6づつです。
しかし、サイコロを投げる回数が一回の場合の実際の結果はいずれか1つの目だけが100%出たことになります。
サイコロを6回振った場合、全ての同じ目が出る確率は1/6^6=1/46656です。
このように回数を重ねることで偏りが減り、理論値に近づいていきます。
注意点
サイコロを実際に振る場合、1/6に収束しないことが大半です。
物理的な現象として、重心のずれが影響します。
コインも同様で片面が重い場合は1/2に収束しません。
また、人がコインを投げる場合は力加減の影響で偏りが生じます。
このため、現実的な数字と理論的な数字にはずれが生じる事が多いです。
また、コインが連続して片方の面が出ていると、次に出る面は連続してでている面とは異なった面がでるように誤認してしまう(ギャンブラーの錯覚(ギャンブラーの誤謬))事がある点にも注意が必要です。
片方の面が過剰に連続して出続けている時は作為的にそのような現象がが引き起こされている可能性の方が高いです。
まとめ
正確な数字がわからない場合、一般的にはフェルミ推定を使う事が多いです。
しかし、フェルミ推定では予測するための実数が必要になり、実数が正しくなければ誤差が大きくなってしまいます。
大数の法則は分母を大きくすることで理論値に近づきます。
このため、正しい理論が確立されていない場合に分母を大きくすることで統計的な確率を割り出す事で実数に近い試算を行えます。
分母を大きくして実態の数字を導き出す方法は主に保険会社などで用いられる事が多い方法です。