初頭効果は最初に与える影響が大きい現象です。
最初に与えられる刺激に対しては感情的に受け止める事が多いです。
最初は未知の部分がほとんどで、その未知の部分に対して予想を立てる事で、合理的な判断と異なった印象を持つ事が多いです。
つまり憶測で判断してしまう事で、合理的な判断とは異なった決定をしてしまう事です。
特に第一印象は最初の数秒の視覚的刺激によって決まると言われています。
そしてこの印象は感情的な影響を強くうけ、合理性がほとんどありません。
しかし、この影響は数か月程度持続し、最初についてしまった印象を覆すにはそれなりに時間がかかります。
初頭効果はアンカリング効果やハロー効果に影響を与えます。
アンカリング効果
感情的な影響を強く受ける事で基準が作られる現象です。
特に初めての経験では基準点がないため、最初の経験が基準となります。
ハロー効果
顕著な特徴が過大評価される現象です。
初めて目にする刺激に対して、その人や物の表面的に見える部分からその印象を決定します。
具体例
初めて株を購入した際に株価が上がり儲かったとします。
この経験から、株は儲かるものという経験が残ります。
そしてこれが基準となり、その後に損失を出しても儲かるという印象が残ります。
しかし、この儲かるという基準は試行回数が少ない中での感情的な判断ですので、試行回数が増加する事で合理的な判断ができるようになり、実際と異なると思う時がくるかもしれません。
このように感情的に決定付けらた基準点は合理性が乏しくなるのがアンカリング効果の特徴です。
やる気がない人を見るとどうしても能力が低い印象を抱いてしまいがちです。
しかし、やる気というのは能力に対して、その人がどれだけ能力を発揮するかで決定されます。
やる気があるAさんは能力を100%使います。
やる気がないBさんは能力を50%しか使いません。
しかし、Aさんの能力が50でBの能力が110あったとしたら、Bさんはやる気を出さなくてもAさん以上の能力を発揮しています。
このように最初印象で未知の部分を想定するのがハロー効果の特徴です。
まとめ
最初の印象は大切です。
ここで大切なのは過大評価も過小評価もせずに合理的な判断を行う事ですが、情報が少ない状態で合理的な判断を行う事は難しいです。
そのため、知識や経験を積み、感情に左右されないようにすることが大切です。
しかし、この影響は自分が判断を下す側に限った事ではありません。
自分が他者へ与える印象もこの影響を大きく受けます。
未知の部分が多いと予想する部分が膨らみます。
そのため、未知の部分を無くす事で等身大の自分を受け止めてもらうことができます。
ジョハリの窓では自己開示が進む事で好感を持たれるとされている事からも他者へ自分を知ってもらう事は交友関係を深める上で重要な要素となります。
備考
ポーランドの心理学者のソロモン・アッシュが提唱しました。
初頭効果は最初に与える影響が大きい現象です。
それに対して、最後に与える影響が大きい親近効果があります。