メラビアンの法則(7-38-55ルール/3Vの法則)とは
概要
メラビアンの法則は矛盾した情報に対しての心理的な影響に関する法則です。
基本的にコミュニケーションを取ろうとする場合、情報の送り手は言語のみではなく身振りや表情・声の大きさなどの様々な方法で受け手へ正確な情報を伝えるようにしています。
基本的には話したい内容を言葉にしていますが、その内容の伝え方は千差万別で同じ情報を受けても印象が大きく異なる事も珍しくはありません。
このような事が起こる原因としては
- 言語情報の印象
言葉の内容や意味などから伝わる印象 - 聴覚情報の印象
声質・声量・口調・テンポなどの声から伝わる印象 - 視覚情報の印象
見た目(服装や清潔感など)・しぐさ・表情・視線などの目でわかる印象
このような要因の影響力が左右していると考えられています。
基本的には言語を用いて表現する事が主流なため、その内容が伝われば意思疎通には大きな問題はないはずですが、「会話の内容」と「その他の情報」に矛盾点がある(嘘・偽り・隠し事など)事があります。
その際には会話の内容以外の情報がとても大きな役割を果たしている時で、会話の内容とその雰囲気に違和感が生じた際の重要視する項目を分析したものがメラビアンの法則になります。
それぞれの重要度は主に下記の通りです。
- 言語情報(Verbal)7%
- 聴覚情報(Vocal)38%
- 視覚情報(Visual)55%
このように分類されるため、「7-38-55ルール」や「3Vの法則」とも呼ばれます。
具体例
例えば、世界有数のお金持ちである
- ジェフ・ベゾス
amazon創設者(2019年の総資産額 世界1位) - ビル・ゲイツ
マイクロソフト創設者(2019年の総資産額 世界2位) - ウォーレン・バフェット
投資家(2019年の総資産額 世界3位)
上記のような世界有数の資産家が「私はお金は持っていない」と言っても多くの人は冗談にしか聞こえないでしょう。
これが言語情報の7%に相当する内容なので、100人中7人は「お金を持っていない」と信じます。
そして、声のトーンが落ち込んでいた場合に聴覚情報の影響から38%が信じるため、言語情報と合わせて合計で45%の人(100人中45人)は「お金を持っていない」と信じます。
さらに、涙を流しながらボロボロの服装の場合は視覚情報の影響を受けた55%の人が信じます。
合計で100%となり、100人中100人が「お金を持っていない」と信じます。
※大まかな数字なので完全に全ての人が信じるきる事はないと思います。
まとめ
メラビアンの法則では、言語、聴覚、視覚の3点が実際と異なる場合に疑心を抱く現象です。
ご飯をおいしいと心の底から思い食べていても、それが表情に出ていなければ本当においしかったのか不安になります。
これはコミュニケーションを行う上でとても大切な事で些細な行き違いの原因となりかねません。
これはドクターフォックス効果(Dr.Fox effect)からもわかる通り、言語情報よりもその他の情報(雰囲気などの抽象的な印象など)からの影響を大きく受けてしまう人は実際にはとても多いです。
特に視覚的な情報は影響が大きいため円滑なコミニュケーションには欠かせない重要な項目です。
しかし、文字情報ではメラビアンの法則に該当する情報が不足してしまいがちになてしまうため、読み手の気持ちが大きく反映されてしまう可能性もあります。
インターネットの普及によりSNS等の文字情報のやり取りが増加したため、誤解を生まないためには、言葉選びも重要となります。
例えば
- みなさまの人生に幸おおからんことをお祈りいたします。
- みなさまの人生に幸あらんことをお祈りいたします。
上記はどちらも幸せを願う言葉でが誤解を招く恐れがあります。
また、コールド・リーディングのように二重否定分を用いている事で、ニュアンスの違いの判断が付きにくく、複数の解釈があるような言葉も注意が必要です。
具体的には
- みなさまが幸せにならないこともないようにお祈りいたします。
のように二重否定は相手へ内容が伝わりにくくなってしまいます。
言葉は相手へ伝える手段ですので内容が正しく伝わらなくては本末転倒です。
みなさまが幸せになる様に祈っています。
のような表現の方が気持ちが伝わりやすいはずです。
備考
アメリカのアルバート・メラビアンが提唱したため、メラビンアンの法則と呼ばれています。