メアリーの部屋は色を知らない科学者が色を目にする事でどの様に変化するのかを考える思考実験です。
物理学的な知識を全てと考える場合は色についての知識が全てある状態で見る色から学ぶ事はありません。
しかし、色に関しての知識が全てある状態でなにかしらの学があるならば、それは物理主義に反しているとされます。
実際にこの実験を行う事は不可能に近いため、実験を様々な観点から分析、検討するにとどまっています。
思考実験の内容
メアリーは聡明な科学者で専門は視覚に関する神経生理学です。
彼女は生まれてから白黒のものしか目にしたことがなく、部屋もすべて白黒です。
彼女は白黒の部屋からテレビ画面を通してのみ世界を調査することができます。
彼女は物理的過程に関して得られるすべての物理情報を知っています。
例えば「赤」や「青」などの言葉の意味も理解していますし、光の見え方の違いも理解しています。
彼女が白黒の部屋から解放されたり、テレビがカラーになったとき、彼女は何かを学ぶのでしょうか?
上記が思考実験の内容です。
この実験のポイントは色についての物理的知識はあるが、一度も色を見たことがないメアリーはどのような反応をするのかです。
メアリーが色彩豊富な世界を見て何かを学ぶとするならば、物理情報だけではなく、クオリアが存在するという認識が裏付けられます。
まとめ
この実験ではメアリーがとても優秀ですべての色に関する知識を身に着ける前提です。
しかし、実際に視覚に関する全ての知識を持つ事は不可能です。
過去に全色盲の視覚科学者が存在しましたが、その科学者は色の持つ性質を理解する事はできなかったと語っていました。
また、後天的に色盲となった画家は自分の記憶に残る色は鮮明に記憶しているにも関わらず、新しい絵を目にしてもその色を感じる事ができませんでした。
このように、知識を詰め込んだり、体感しても実際に目にする色がなければ色として認識できないとされています。
このことからクオリアは実在すると考えられています。
備考
メアリーの部屋は、スーパー科学者メアリー、一人ぼっちのメアリーなど、さまざまな呼び方で呼ばれています。