マキャベリズム(マキャヴェリズム)は、誠実性や倫理観、道徳心が欠如していても、目的のためには手段を選ばないのを良いとする思考です。
究極の合理主義の一つの形式ともいえるのがマキャベリズムです。
非道徳的な行為でも効率を優先させます。
マキャヴェリズムを支持する人をマキャベリストと言います。
効率がいいと判断した場合、人を騙す事や貶める事に抵抗がないため、嘘をつくことに罪悪感がなく、また嘘を正当化しようとします。
目的のためには手段を選ばないため、犯罪者に多く、人の弱みを握ったり、他者を蹴落としたり利用するなどして、目的を遂行しようとします。
組織の中では出世いやすい傾向がありますが、その反面多くのトラブルを抱えやすく追放される事も多いです。
そのため、出世してもその立場を維持できない特徴があります。
具体例
トロッコが走行中に車両トラブルでブレーキが利かなくなってしまいました。
線路の先には作業員が5名います。
このままでは5名の命が助かりません。
線路の切り替えスイッチによって行先を変更する事ができ、その先には作業員が1名います。
そのため、現在の線路上の5名を助けるためには、切り替え後の線路にいる1名の命を犠牲にしなくてはいけません。
※法的措置は受けないものとします。
A. 線路を切りかえず、5名の命を犠牲にする。
B. 線路を切りかえ、1名を犠牲に5名を助ける。
この状況では、マキャベリストはBを選択します。
この例はモラルジレンマのトロッコ問題を引用した内容です。
まとめ
マキャベリズムは効率を重視しすぎる傾向が強いため、感情面で他者へと寄り添う事が苦手です。
そのため、周囲からは異常者と思われる事が多いです。
マキャベリストは遺伝という説もありますが、生育環境が大きな要因とするのが近年の主流です。
そのため、自分の行動は正常だと思っている事が多いため、目的を達成している自分は良く働いているとすら考えています。
治療するには豊富な経験を持つ専門家の力が必要です。
備考
哲学者ニッコロ・マッキャベリの「君主論」で紹介されています。
また、精神科医のリチャード・クリスティーとフローレンス・ゲイスはマキャベリストは「愚かな人間はたくさんいて、その人たちを利用するべきで、利用しないのは間違っている」と考えていると分析しています。
心理学ではダークトライアドの特性(マキャベリズム、サイコパシー、ナルシシズム)に含まれています。
ダークトライアドは様々なところで見られますが、いずれも不安定で危険な心理傾向が強いです。