フレーミング効果は同じ事を意味する内容でも、表現方法が異なる事で受け取り方に影響する心理です。
内容が同じでも視点を変えたり、具体例を与えたりと表現を変える事で印象が変わります。
また、絶対評価と相対評価のような評価方法の違いや、評価基準が異なる(アンカリング効果 )など、多くの要因があります。
具体例
新種の病気に感染してしまった恋人が助かる方法は薬を与えるしかありません。
薬を与える事が出来なければ余命はわずかです。
しかし、薬は開発費の10倍で販売されているため高価です。
借金をしても半分しか資金が集まらず購入する事ができません。
そのため、薬の所有者に値引いてくれるか、お金を後で支払うので先に薬をもらえるように交渉しましたが断られました。
どちらをAとBどちらを支持しますか?
A. 恋人の命よりも優先する事はないので所有者から薬を盗む。
B. 恋人には申し訳ないが、借金しても購入できないほど高価な価格にする方にも問題がある。
研究費の10倍の値段で販売されているところ、半分の資金を準備できれば薬の所有者には研究費以上の利益があるはずですので、Bの意見も理解できます。そのため、Aを選択する方が多かったのではと思います。
続いてCとDではどちらを支持しますか?
C. 恋人の命よりも優先する事はないので所有者から薬を盗む。
D. 研究開発しても利益が保証されないならば、今後研究する者は表れなくなり、より多くの命が失われる事になるので、資金を準備できないのならあきらめるしかない。
解説
先ほどのAとBよりも、こちらの方が思考時間が長くなった方が多いと思います。
しかし、AとCはそのまま同じで、BとDも内容は同じです。
この現象がフレーミング効果です。
主張は同じですが、そこに至るまでの表現が異なる事で与える印象が異なります。
この具体例はどちらかを選択すると、どちらかで問題が発生する(ハインツのジレンマと言われるモラルジレンマ)問題を参考にしているため、考えれば考えるほど結論は難しいと思います。
まとめ
視点や基準が異なれば考え方も異なります。
人は生き物の中で自制心が発達しているため、ここまで発展してきましたが、その過程で生き残った者がもっていた性質には流れがあります。
例えば危険やリスクには目を向け避けようとし、現状を変える事を嫌うなどです。
そのため、リスクを主張し保守的な意見を支持する事は多いです。
真実を見極める事は難しいです。
真実を見極めるには偏った視点でとらえるのではなく、多面的な分析が必要になります。