ピーターの法則は有能だったものは不適切な地位に昇進することで無能として留まってしまいます。
能力主義の階層社会では能力の限界まで昇進する事で、昇進後の階層では無能となり、その結果各階層には無能しか残らないとする考えです。
この原因は、昇進することで求められる能力が変化し、その階層における能力を満たせなくなることで無能となります。
つまり、個の能力は変わりませんが、求められる能力は上昇し続ける事で、いずれ個の能力以上に能力が求められる事が原因です。
昇進後に必要な能力の難易度が上がるとは限りませんが、階層ごとに必要な能力が異なるため、要求される能力が増加していきます。
具体例
有能な社員が昇進した場合。
昇進後に求められる能力は依然よりも多くなるため、無能となる可能性があります。
ここで有能だった場合はさらに昇進します。
しかしここでも、無能となる可能性があります。
このように、昇進する事で、求めらる能力が増加するため、それを満たせなければ無能として扱われ、それ以上の昇進は望めなくなります。
その結果、各階層は無能な構成員で埋め尽くされてしまいます。
ハロー効果(後光効果/ハローエラー) による影響
現在の階層で重要視される能力と次の階層で重要視される能力は異なることが多いです。
現在の階層で重要視される能力が高いとポジティブハロー効果の影響で他の能力も高いと周囲の方は錯覚します。
しかし、昇進後に重要視される能力が変わり、その能力が低い場合、ネガティブハロー効果の影響により、他の能力も低いと周囲の方は錯覚します。
この結果、長所を活かしきれない事が影響し、能力が過小評価され、無能と認識されてしまいます。
解決策
この問題を回避する方法は3つあります。
- 昇進させずに昇給を行う
- 現在の延長上の仕事を継続する事で専門性を磨きます。
- モチベーションの維持も期待できます。
- 昇進後に必要な能力を事前に習得させる
- 次の階層の能力を備えてから昇進させることで、昇進後も無能とはなりません。
- 次の階層の能力に欠ける方を事前に発見できます。
- 降格を行う
- 能力が足りない場合は周囲から批判されることで、本人のモチベーションが低下する事はもちろん、周囲のモチベーションも低下するため、降格も一つの手ですが、やりすぎには注意が必要です。
- 能力が足りない場合は周囲から批判されることで、本人のモチベーションが低下する事はもちろん、周囲のモチベーションも低下するため、降格も一つの手ですが、やりすぎには注意が必要です。