ハロー効果は認知バイアスの影響で顕著な特徴が過大に捉えられる現象です。
後光効果やハローエラーとも呼ばれます。
ハロー効果は特徴的な印象を元に先入観で情報を予想するため、実際の人物像とは異なった現象となる事が多いです。
ハロー効果は良い印象が協調される時と、悪い印象が協調される時の印象が真逆になってしまう2種類に分類されます。
- ポジティブ・ハロー効果 (良い印象)
特徴的な印象の評価が高いと知らない他の情報の評価も高いと予想します。 - ネガティブ・ハロー効果 (悪い印象)
特徴的な印象の評価が低いと知らない他の情報の評価も低いと予想します。
ハロー効果の具体例
条件を下記の4つとします。
Aさん、Bさんがいます。
Aさんは学校教育を大学まで受け、高学歴の社会人になりました。
Bさんは学校教育を高校を中退し、社会人になりました。
他の要素は全く知らないとします。
ポジティブ・ハロー効果
Aさんは博識で給料も多く、仕事もできる印象を受けます。
ネガティブ・ハロー効果
Bさんは定職に就かず、親にお世話になっている印象を受けます。。
上記のように、事実がわからず、先入観で判断し、歪んだ印象を持ちかねません。
特にイケメン(美男、美女など)がポジティブ・ハロー効果を受けやすい傾向があり、生涯年収にも影響するといわれています。
このように誤解を生む心理が働くのは、生態系の中で生き残るために物事を即断できる能力が必要だったためです。
即断する能力が高かった個体が生存競争に勝ち続けてきたため遺伝的に受け継がれてきました。
ハロー効果の克服
ハロー効果を克服し、先入観を防ぐ対策として、
- 事実的な評価から他の評価を想像しないようにしましょう。
- 一つの行動から得られる評価は事実的な評価一つにしましょう。
- 数字などを意識し客観的事実を元に評価基準を設けて評価するようにしましょう。
などがあります。
基本的に感情と評価は別に考え客観的な視点で捉えなくては現実的な評価との差が生まれてしまいます。
具体例
やる気のない雰囲気で淡々と仕事をし、定時に帰宅する社員Aさんがいるとします。
ここでハロー効果を受けてしまう場合
- やる気のない雰囲気だから仕事もできないだろう
- 淡々と仕事をしてるのだから周りとかかわりたくないのだろう
- 定時で帰っているから大した仕事をしていないだろう
このような先入観が生まれます。
ハロー効果を克服するためのポイントです。
- やる気のない雰囲気→受信者側の主観なのでよくありません。
- 淡々と仕事をしている→なぜ淡々と仕事をしているのかを確認してください。
- 定時に帰宅→仕事の進捗具合を算出してくください。
このように感情的な評価と実際の内容を確認する事が大切になります。
実際の社員Aさんは下記のような社員かもしれません。
- 仕事はとても効率の良い社員さん。
- 仕事量が多く、周りを気にする余裕はありません。
- 家には親や子供の世話をするため早く帰宅しなければいけません。
- 仕事量が多いのに家に帰れば家事等を毎日しているため疲労困憊で出社してしまいます。
このように最初の先入観とは異なった見え方になる可能性もあり、ハロー効果を受けた評価の社員Aさんと、実際の社員Aさんでは印象がまったく異なります。
ハロー効果に惑わされないように気を付けたいですね。