ダニング・クルーガー効果は能力が低い人ほど自己評価が高く、能力が高い人ほど自己評価が低くなってしまう現象です。
ダニングクルーガー効果が起きてしまう原因はそれぞれの能力にあります。
能力の低い人は自分が無知であるという事をわかっていません。
そのため「自分の能力が不足している事を認識できない」「どの程度の能力が不足しているのかがわからない」「他者の能力を認識できない」などの要因に優越の錯覚が重なる事で他者からの評価と自己評価が異なってしまいます。
一方で能力が高い人は自分の能力を正確に認識する事ができます。
また、能力が高い人の周りには能力の高い人がいる事が多いため、比較対象のレベルも高いことで自己評価が低くなりやすいです。
具体例
初めてやる事はどこから手を付けていいのかわからない事が多いです。
しかし、何回もやるうちに効率よく応用が利いた対応ができるようになります。
単純な事は奥が深く難しい事が多いです。
例えば厚焼き玉子です。
基本的には厚焼き玉子は卵を焼くだけのシンプルなものです。
しかし、火加減や味付けによって全く異なった食べ物となります。
そして、美味しいと思っ手も際限する事は難しいですが、これは作った事がある人にしかわからない事が多いと思います。
このように、なぜそれが難しいかがわかる人とわからない人では知識や経験が異なり、この差が能力の差となります。
まとめ
自信の高評価に対して、他者から低評価を受けてしまうのがナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)で、身の丈をわかっておらず、自分の能力を過大評価して失敗する方が多いです。
このように自己評価と他者評価が大きく異なるのは優越の錯覚の影響によって起こる心理を抑制できるような理性が乏しく、感情に流されるため論理的思考(ロジカルシンキング)が苦手な人で、自分が知らない事を知ろうともしません。
そのため、自意識過剰が顕著に表れるナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)は能力が周囲よりも著しく低い可能性があるので注意が必要です。
その反面、優秀な方ほど自分の能力を過小評価する傾向が強いです。
これは理性が強く物事を冷静に受け止められる反面、知識が豊富すぎて知らない事が多い事を知っていて上昇志向も強いのですが、周囲の人に関心が少ない事も多く、自分の優秀さに気付かない人も多いです。
そして、優秀なのに自己評価が低い人の多くは、自分にできることは他人にできて当たり前だと思う傾向が強いようで、先天的に能力の高い、ギフテッド・タレンテッド・HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)などの人はこのような心理になりやすいです。
このように、自己評価は実際の能力とは異なって指標となるため、能力の上下と自己評価の上下が逆転することがあります。
備考
デビット・ダニングとシャスティン・クルーガーが提唱したため、ダニング・クルーガー効果と呼ばれます。
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