ジニー(ジェニー)・ワイリー | あむぶろ 学校では教えてくれないこと

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ジニー(ジェニー)・ワイリー

投稿日:2021年8月9日 更新日:

ジニー・ワイリー(仮名)は虐待にあった少女で、13歳まで自宅に監禁されて育ちました。

彼女は文明社会の中に身を置いているにもかかわらず、その成長過程で教育を受けることなく成長しました。

彼女のように機能不全家族で育てられ、社会生活に必要な言語教育などの基本的な教育を幼少期に受ける機会を与えられない子供は孤立児に分類されます。
また、広義の意味では野生児にも分類されます。

孤立児は少数ですが存在し、現在でも稀に発見されています。

過程環境

ジニー・ワイリー(本名はスーザン・ワイリー)は1957年にアメリカのカリフォルニア州の、クラーク(父親)とアイリーン(母親)の4番目の子供として生まれましたが、実際には兄が1人(2人は既に虐待によって死亡していた)いるだけでした。

ジニーは生後1年2か月で医師から「発達が遅れている可能性がある」と診断され、それを過剰に受け取ったクラーク(父親)はジニーを監禁するようになってしまいました。

ジニーは基本的には裸で拘束されており、物音を立てるとクラーク(父親)から暴力(棒で殴られるなど)を受けていました。
食事は最低限の物(オートミールやベビーフード稀に卵など)を与えられていましたが、食事の際に言葉を交わす事はありませんでした。

母親(アイリーン)は一緒に暮らしていましたが、彼女は目が悪い事もあり電話も満足にできないような状態でした。
そのため、アイリーン(母親)は父親に対して逆らう事もできず、ジニーへの虐待は長期間続く事となってしまいました。

クラーク(父親)とアイリーン(母親)の間ではジニーが12歳まで生き残ったら虐待を辞める約束があったようですが、その約束は守られることなくジニーが13歳の時に激しい口論の末、母親はジニーを連れて家を出ました。

クラーク(父親)の虐待から解放された後

クラーク(父親)の元を離れた後、ジニーとアイリーン(母親)は祖母の家で3週間程度過ごした後に、援助施設を訪れ事件が発覚しました。

両親は児童虐待で告訴されましたが、クラーク(父親)は出廷を命じられた際に自殺しました。

長年の虐待の影響によってジーニーは13歳の時点で身長137cm、体重26.7kg(平均身長153cm、平均体重47kg)と小柄で6~7歳程度の身体の成長状態、固形物を咀嚼できず、排せつの習慣もなく、筋力は無く立つこともままならず、歩行が不慣れなため「うさぎ歩き(バニーホップ:Bunny walk)と呼ばれる奇妙な歩行しかすることができませんでした。
そのため、ジニーはロサンゼルスの小児病院へ入院しました。

当時のジニーは言葉を話せずに簡単な単語や命令文をわずかに理解できる程度(病院に来た当初のテストで彼女の社会的な成熟度や精神的能力が1歳程度の状態という結果)でした。

しかし、当初医師が指摘した「発達の遅れの可能性」の根拠となる原因は見つからないと判断したため、彼女の年齢に対して幼い心身は家庭環境によるものであるという結論に至りました。

教育によって二語文を習得する事ができましたが、それ以上はなかなか進展しませんでした。

ジーニーの居場所は次々と変わっていきました。

ジニーは両親と生活する事ができないため、虐待から解放された後も居場所を転々とすることになりました。

  1. ジーン・バトラー
     養護学級の女性教師をしているジーン・バトラーと仲良くなりましたが、里親の申請が却下されました。
  2. デービット・リングラー
     心理学者のデービット・リングラーとその妻マリリンが里親になりました。
    マリリンの指導によって食事の作法などを身に着けていきましたが、研究費の打ち切りが決定すると里親をやめてしまいました。
  3. アイリーン
     手術を終えて視力を取り戻したアイリーン(実母)に引き取られました。
    しかし、ジニーの乱暴な振る舞いに耐えられずに一緒に暮らす事を断念してしまいました。
  4. 厳しい躾をする里親
     厳しい躾をする影響によるものか、ジニーは身についていた生活習慣もなくなり、言葉もしゃべらなくなってしまいました。
  5. 病院
     厳しい躾をする里親の影響によってジニーの状態が思わしくない方へ変化しました。
     その状況に危機感を持ったカーティスはジニーを病院にいれました。
  6. 里親
     病院をでて新しい里親に引き取られましたが、長くは続きませんでした。
  7. 里親
  8. 里親
     短期間で2組目の里親が次々と変わりました
  9. 知的障害者センター
     母親アイリーン(アイリーンは2003年に死去)が監督権を取り戻して知的障碍者センターで暮らす事になりました。
  10. 2008年の段階ではカリフォルニア南部の施設でくらしています。

周囲の反応

ジニーは文明社会の教育を受けることなく育った数少ない事例です。

通常の子供が言語獲得をする時期に言語を獲得できなかった子供は臨界期仮説などの参考となる貴重な事例として科学者の注目となる事が多く、ジニーもその例外ではなく世界中の科学者から注目を集めました。

特にスーザン・カーティスは1971年6月からジニーを観察し、言語を学んでいく過程を記録して発表、その後1977年には出版しました。

論文のタイトルではジニーの事を野生児(Wild Child)と表現し、アイリーンの反感をかってしまいました。

ジニーは二語文(今日、晴れのような内容)を話せるようにはなりましたが、そこから先の進歩は難しかったです。

言葉を覚えると徐々に過去にどのようなことがあったのかを語るようになりました。

まとめ

ジニー・ワイリーのように教育を受けることができなかった子供は少なく、孤立児といわれ奇異な目で見られ多くの人の興味をひきます。

ジニーのほかにもカスパー・ハウザーも良く知られている孤立児です。

ジニーやガスパーのように幼少期に教育を受ける事ができなかった子供には多くの困難が待ち受けています。
特に問題なのは言語教育や一般教養がないため、常識的な言動ができないため、文明社会で暮らすには困難が多いです。

そして、臨界期仮設で提唱されるように、12歳前後までに言語を取得できない場合、その後の言語教育は困難(取得を目指しても母国語のように言語を話せるようになることは難しい)となってしまいます。

特にジニーは言語教育だけでなく、身体の自由も満足に与えられなかったせいか、脳の使い方が通常とは異なると診断されましたし、暗所に閉じ込められたカスパー・ハウザーは通常よりも目や耳が発達していたと考えられているため、環境に応じて取得する能力に変化が表れている可能性もあります。

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